看護師が転職先を探すとき、希望する医療機関へ直接応募する方法があります。
直接応募って、なにかデメリットありますか?
医療機関に直接応募するとき、気をつけるポイントを教えてください。
希望の医療機関になんとしても転職したいところですが、直接応募して失敗したくないものです。
そのためには直接応募について、正しく理解をしておかねばなりません。
そこで今回は、看護師が転職する際に医療機関へ直接応募するメリット・デメリットを解説!
また、直接応募する流れを注意すべきポイントとともにお伝えします。
本記事のポイントは以下の通り。
- 直接応募するメリット・デメリット
- 直接応募がおすすめの看護師
- 医療機関へ直接応募する流れと注意点
この記事をお読みになると、あなたが転職したいと思う医療機関に、直接応募すべきかを判断できますよ。
- 日勤常勤で急性期病院の病棟に入職するも結婚・妊娠を機に退職
- 育児に専念後、日勤常勤で慢性期の介護病棟に配属
- 子どもの体調不良が重なり、現在は日勤のパートで勤務
専業主婦から、現在療養型病院の看護師をしている私が、実際の転職活動の経験をもとにお届けします。
看護師転職の直接応募とは?
「直接応募」とは、看護師が転職活動において、転職サイトなどを利用せず自分自身で医療機関に応募することを言います。
看護師求人に直接応募するメリット
看護師転職で、直接応募するメリットは以下の4つです。
- 人事担当者と直接連絡できるのでスムーズ
- 入職したいという熱意や行動力を示せる
- 内定をもらえる確率アップ
- 自分のスケジュールに合わせて転職活動ができる
一つずつ解説していきます。
人事担当者と直接連絡できるのでスムーズ
医療機関の求人に応募する際、自分で電話またはメールで連絡します。
特に電話で応募すると、すぐに人事担当者と話すことができます。
応募の旨を伝え、人事担当者から面接の打診があったら、面接日を調整します。
メール等での打合せでも同じです。
私も直接応募した医療機関の人事担当者と、電話でやりとりしました。
面接希望日を尋ねられたので、いくつかの希望日を回答すると、その場で決まりました。
また、面接時に持参するものや当日の流れなど、気になることを確認できましたよ。
人事担当者と直接連絡すれば、気になることもその場で解決でき、スムーズにやりとりできます。
入職したいという熱意や行動力を示せる
直接応募は、自力で医療機関の求人を見つけ、応募します。
もちろん自力で見つけた医療機関の求人への応募は、あなたの意志によるものですよね。
直接応募では医療機関にむけて、入職したいという強い気持ちをアピールすることができます。
また情報収集の段階でも、大きな差があります。
自力で探した医療機関の求人情報であれば、隅々までくまなく情報をチェックしますよね。
どんな医療機関なのか、口コミサイトを調べることもあるでしょう。
私の場合、応募した医療機関の経営理念や看護部の基本方針も欠かさずチェック。
理念や方針に出てくるキーワードを踏まえた志望動機を、履歴書に書いたり、面接でも話しました。
すると、医療機関の人事担当者にも「良く調べているね。」と高評価をいただけました。
直接応募では最初から最後まで志望動機や面接を通じて、あなたの人となりをじかに伝えることができます。
「どうしてもこの医療機関に入職したい」という気持ちを面接官にアピールすれば、きっと良い結果を得られるでしょう。
内定をもらえる確率アップ
直接応募すると、内定をもらえる可能性がアップすることがあります。
直接応募の転職者を採用する場合、医療機関に金銭的な負担はありません。
それに対し、転職サイトから紹介された転職者を採用した場合、医療機関は転職サイトに紹介料を支払うことになります。
紹介料は小規模の医療機関にとっては、大きな痛手となることも…。
なるべくお金をかけずに看護師を採用したいと考えるのが自然です。
ただし、直接応募なら必ずしも採用されやすいわけではありません。
転職サイト経由の看護師が直接応募の看護師よりも医療機関の求める人物像に近ければ、どうでしょうか。
長い目で見ると、お金が多少かかっても転職サイト経由の看護師を採用したいと考える医療機関も多いのです。
とは言え、内定をもらえる確率がアップすることは事実ですから、行きたい医療機関が決まっているなら、直接応募に挑戦してみましょう。
自分のスケジュールに合わせて転職活動ができる
直接応募の場合は、情報収集を行う時間や応募するタイミングも自分で決められます。
特にじっくり情報収集したいあなたにとって、直接応募がぴったりです。
あなたがもし在職中あるいは子育て中ですと、自分の生活に合わせて転職活動を進めたいと思うはず。
直接応募なら、隙間時間で情報収集したり、応募するかを家族に相談することもできますよ。
もし今すぐの転職を考えていないのなら、応募するか悩んだり、念入りに情報収集できます。
直接応募は求人の募集がある限り、いつでも応募できる点がメリットです。
自分のスケジュールに合わせて転職活動を進めたいあなたに、直接応募はおすすめですよ。
直接応募で転職するデメリット
直接応募にもデメリットは以下のようにいくつかあります。
- 医療機関の内部情報が少ない
- 自分にぴったりの医療機関を探すのが難しい
- 面接前でも実名で転職活動しなければならない
- 履歴書添削や面接対策などの相談先がない
- 自分で条件交渉をしなければならない
- 入職後のトラブルは自分で対応しなければならない
この項目では、デメリットと対処法を解説します。
医療機関の内部情報が少ない
直接応募では、面接を受けるまで医療機関の職場情報が得にくいというデメリットがあります。
特に職場の雰囲気や教育体制などは、インターネット上に情報がないことがほとんど。
規模の大きな医療機関では、インターネット上に口コミを見つけることができます。
しかし規模の小さな医療機関では、口コミが見つからないことも多いです。
そうなると面接で人事担当者に尋ねたり、職場見学をさせてもらい自分で確認するしかありません。
キャリアアドバイザーから、医療機関の職場の雰囲気や教育体制など気になる情報を教えてもらえますから。
自分にぴったりの医療機関を探すのが難しい
直接応募の場合、自分に合う医療機関の求人を自力で探すことになります。
ウェブサイトで探す際、数多くの医療機関から希望に合う求人を探し出すのはとても根気がいるんです。
第三者の客観的な意見も聞けないため、本当に自分に合っているのか判断に迷うことが出てきます。
子育て中の私の場合、日勤帯で働ける介護施設やクリニックを探していました。
しかしウェブサイトで検索していても、希望する条件に合う医療機関がなかなか見つからず…。
「日勤帯で働けるのは介護施設やクリニックだけだろう」という思い込みもありました。
結果的に、自力で検索しても求人が見つけられなかったため、転職サイトに登録。
キャリアアドバイザーから、日勤常勤の療養型病院の求人を紹介してもらえました。
子育て中ですと、子どもの体調不良で急な休みが必要なこともありますよね。
人数の多い病棟の方がフォローしあえるので、「日勤のみで採用してもらえる病院」を勧められました。
自分の考えに固執せず、経験豊富なプロのアドバイスを聞く柔軟性も必要ですね。
客観的な視点に立って、自分にぴったりの医療機関を探し出すのが困難に感じる人は、転職サイトを併用すると良いですよ。
関連記事 看護師におすすめの転職サイトと選び方を解説【比較ランキングつき】
面接前でも実名で転職活動しなければならない
気になる求人が見つかり、問い合わせや応募する際はもちろん実名です。
応募フォームやメール問合せフォームには、必ずと言っていいほど「氏名」を記載する欄がありますので。
問題は、応募するか迷っていて、詳しい条件を応募前に知りたいときよね…。
特に残業時間や給与に関する話題は聞きにくいですし。
これを実名で質問すると、面接で不利になるのではと不安になって当然です。
私も応募するか迷っていて、実際の残業時間や福利厚生を知りたいと考えていました。
しかし実名でのメール問合せに、「もし面接で不利になったら」と不安に思い、結局メールができませんでした。
残業時間や給与など聞きにくい話題を、匿名で医療機関に質問したい場合は転職サイトを利用しましょう。
キャリアアドバイザーがあなたに代わり、情報収集してくれます。
あなたの希望に合っていたら、転職サイトから応募の段取りを整えてもらってください。
履歴書添削や面接対策などの相談先がない
直接応募する場合、履歴書の準備や面接対策を自力で行わねばなりません。
履歴書の自己PRや志望動機について、伝わりやすく適切な表現か、アドバイスを受けられたら良いですよね。
また面接の流れを確認したり、よく質問される内容を把握しておくなど、事前に面接対策をしておくべき。
競争率の高い医療機関へ応募するなら特に、万全な対策をしておきたいものです。
履歴書添削や面接対策を相談したい場合は、ハローワークまたは転職サイトを利用しましょう。
ハローワークでは、無料で応募書類の添削や模擬面接で練習することができます。
ご希望に応じて、履歴書や職務経歴書といった応募書類の添削指導や、面接のマナー・心構えについてアドバイスし、また、実際の場面を想定した模擬面接を行っています。
(出典:ハローワークインターネットサービス 初めてご利用になる方へ)
ただし、ハローワークは看護師に特化しているわけではないので、各医療機関に合わせた履歴書添削や面接練習ではありません。
その点、転職サイトは履歴書添削や面接対策を売りにしているので、問題なく対応してくれます。
必ず「看護師専門」の転職サイトを利用するようにしましょう。
自分で条件交渉をしなければならない
直接応募する場合、面接時に自分で条件交渉しなければなりません。
しかし面接の場で、給与や雇用条件などの交渉を切り出すタイミングに迷いますよね。
交渉なんてしていいのかしら。看護部長さんに悪印象を与えるのは避けたいし…。
もちろんコミュニケーション力が高く、自然に切り出して条件交渉ができるのであれば構いません。
ただ実際は、面接で人事担当者が話題に出すまで、待遇や雇用条件にまつわる話を切り出しにくいですよね。
そのうえ、自分の市場価値を客観的に判断できないと、条件交渉は難しいもの。
もしあなたが条件交渉など苦手なら、転職サイトを利用してください。
あなたに代わってキャリアアドバイザーが医療機関側に打診してくれますから。
あらかじめ条件を交渉しておけば、面接時にドキドキしながら条件交渉をせずにすみますよ。
入職後のトラブルは自分で対応しなければならない
直接応募で内定をもらい、いざ入職すると雇用条件が守られていないことも……!
聞いていた話と違う、とトラブルになることもあります。
その点、転職サイトを利用すると、入職後までサポートを受けられます。
もし入職後のトラブルへの不安を感じているなら、転職サイトを利用しましょう。
ちなみに、ハローワーク経由の場合、入職後に契約条件が違っていたら、事実確認や是正・補足をしてもらえますよ。
ハローワークでは、求人受理に当たって、十分に条件の確認等を行い、応募者を募るために虚偽等がなされることがないよう指導を行っておりますが、万が一求人内容と実際が異なっていた場合には、ハローワーク求人ホットライン又は紹介をしたハローワークまでご連絡いただくようお願いします。
求人企業を管轄するハローワークより、求人企業に対して事実確認を行い、必要に応じ、求人内容の是正・補足等を行います。
(出典:ハローワークインターネットサービス公式HP)
ただし、ハローワークでは事実確認ののち求人票に間違いがあれば医療機関へ是正指導しますが、当事者間の紛争に介入することはありません。
雇用契約上の問題は、看護師と医療機関側の話し合いによって解決しなければなりません。
関連記事 看護師におすすめの転職サイトと選び方を解説【比較ランキングつき】
看護師求人に直接応募するのがおすすめの人
どんな人に直接応募で転職がおすすめか、気になりますよね。
直接応募では以下のような人にぴったりです。
- 一日も早く転職したい人
- 応募したい医療機関が決まっている人
- 直接応募のみ受け付けている医療機関に応募したい人
この項目では、直接応募がおすすめの人をひとつずつ解説します。
一日も早く転職したい人
直接応募すると、医療機関の人事担当者と直接連絡を取ります。
やりとりがスムーズであるため、応募から内定までスピーディーに進むことを期待できます。
まず応募の連絡をすると、医療機関から面接を打診されます。
スムーズに面接まで進めば、1週間程度で内定が出たり、その場で決まることもありますよ。
転職サイトを介した場合、応募のあと医療機関により書類選考が行われます。
面接日の調整までに数日を要することも多く、内定までに時間がかかってしまいます。
もちろん直接応募の場合も、人気の医療機関では書類選考が行われることがあります。
しかし書類選考の結果も、あなたに直接連絡が来るため、時間のロスはありません。
ですから、一日も早く転職したい人には、直接応募がおすすめです。
応募したい医療機関が決まっている人
あなたがもし応募したい医療機関が決まっているのであれば、直接応募がおすすめ。
行きたい医療機関が決まっているなら、迷わず直接応募してください。
ホームページを持つ医療機関であれば求人情報のページから応募しましょう。
直接応募すると、転職サイトを介した場合に比べ、内定の獲得率が上がる可能性が高いです。
ホームページからの直接応募なら、医療機関としては採用する際にコストがかからないので歓迎されるから。
応募したい医療機関が決まっていて、絶対に内定が欲しいと思っているなら直接応募で突破してください。
転職サイトに求人募集しない医療機関に応募する人
例えば小規模のクリニックや介護施設では、転職サイトを利用していない場合があります。
医療機関が転職サイトの紹介者を採用した場合、紹介料がかかってしまうためです。
また人気の総合病院では、直接応募のみとしていることがあります。
もともと直接応募者が多いので、あえて紹介料がかかる転職サイトに求人募集する必要がないから。
転職サイトに求人募集しない医療機関が希望なら、直接応募がおすすめです。
関連記事 公務員看護師の求人の特徴や求人の探し方を解説【体験談あり】
看護師求人に直接応募する流れと注意点
この項目では、直接応募で転職する流れと注意点について詳しく解説します。
求人情報収集と問い合わせ
まずは応募したい医療機関の求人を探します。
自分で探す場合は、求人情報サイトやハローワークインターネットサービスを利用してみてください。
また、転職サイトに掲載されている求人情報もうまく活用すると便利ですよ。
数多くの求人から、自分が希望する条件を絞って検索できるので、情報収集にかける時間を短縮できますよ。
またウェブサイトの情報だけでなく、実際に医療機関へ足を運んでみましょう。
医療機関の雰囲気やかかる通勤時間の把握など、具体的にイメージすることができますよ。
応募したいと思う医療機関が見つかったら、連絡方法を確認します。
ウェブサイトのメールフォームや電話など、医療機関によって問い合わせ方法が異なります。
医療機関の患者専用ダイヤルと、求人受付窓口の電話番号が異なる場合もありますので注意が必要です。
ウェブサイトに記載のない内容など、気になることがあれば、指定する方法で医療機関に問い合わせましょう。
関連記事 看護師が自分で転職先を探す方法7選|自分で探すデメリットも要確認!
必要な書類をそろえて応募
応募したい医療機関が決まったら、必要な書類をそろえて応募します。
電話で応募するとき、人事担当者に応募の旨を申し出ます。
電話で問い合わせる場合は、履歴書等の必要書類は面接時に持参する形が多いようです。
いずれの応募方法であっても、書類の準備が必要になります。
面接・見学
応募後に医療機関から「面接に来てください。」と言われたら、面接日を設定します。
指定日がなければ、都合のいい日時を伝え、日程をすり合わせましょう。
必要な書類を持参し、面接に臨みます。
給料や諸手当などが提示されますので、不明な点があれば面接の場で確認してください。
ただし、条件面ばかりを尋ねるのは面接官の心証が悪くなる可能性があるのでおすすめしません。
ところで、面接日に医療機関の職場を見学させてもらえることがあります。
直接応募の場合、職場の雰囲気を知ることが難しいため、喜んで職場見学させてもらいましょう。
職場見学は面接の一部と考え、明るく挨拶をするなど、気を抜かないよう注意しましょうね。
内定から入職
面接後おおむね1週間ほどで、結果を伝える連絡があります。
内定が得られたら承諾の意思を伝え、雇用条件通知書あるいは雇用契約書など必要書類をやり取りします。
特に退職と転職の期間を空けずに転職したい場合は、勤務開始日が退職後になるよう調整してくださいね。
万が一退職できないと、転職先の医療機関に迷惑がかかってしまいます。
そして実際に働き始めたら、雇用条件が守られているかは確認しておきましょう。
直接応募の場合、転職サイトと違って、あなたと医療機関の間に第三者が介入していないため、自分の身は自分で守らねばなりません。
もし一方的に雇用条件が守られずに困った時は、労基署の総合労働相談コーナーやなどに相談してくださいね。
看護師転職の直接応募まとめ
看護師が転職時に自分で医療機関に応募することを、直接応募といいます。
ここまで、看護師が転職で直接応募する際のメリット・デメリットをお伝えしました。
まずは転職で直接応募するメリットから☟
- 人事担当者と直接連絡できるのでスムーズ
- 入職したいという熱意や行動力を示せる
- 内定をもらえる確率アップ
- 自分のスケジュールに合わせて転職活動ができる
次に直接応募するデメリット☟
- 医療機関の内部情報が少ない
- 自分にぴったりの医療機関を探すのが難しい
- 面接前でも実名で転職活動しなければならない
- 履歴書や面接対策などの相談先がない
- 自分で条件交渉をしなければならない
- 入職後のトラブルは自分で対応しなければならない
誰かに相談したい、転職後のトラブルがあったら不安と思うあなたは、転職サイトの利用も検討してみてください。
看護師が転職で直接応募をおすすめする人は以下の通りです。
- なるべく早く転職したい人
- 応募したい医療機関が決まっている人
- 直接応募のみ受け付ける医療機関に応募する人
直接応募は自力で情報収集、面接して内定をもらい、入職するという流れになります。
大変な部分もありますが、内定がもらいやすいというメリットもありますよ。
行きたい医療機関が決まっているのであれば、ぜひ直接応募して希望の職場での入職を目指しましょう。